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コラム

医療廃棄物のバイオハザードマークとは?正しい色分け基準を解説

医療現場で日々発生する廃棄物の処理において、どのゴミ箱に捨てるべきか迷った経験はないでしょうか。特に感染性廃棄物に付けられる「バイオハザードマーク」は、色によって入れるべきものが厳密に決まっており、間違った分別は院内感染や針刺し事故などの重大なリスクにつながります。この記事では、環境省のガイドラインに基づき、赤・橙・黄の3色の正しい使い分けと、現場ですぐに実践できる管理のポイントを解説します。読み終える頃には、自信を持って安全な廃棄物処理ができるようになります。

 

バイオハザードマークとはどのような意味か?

医療機関で見かける特徴的なマークは、正式には「バイオハザードマーク(生物学的危険標識)」と呼ばれています。このマークが持つ役割や定義について、まずは基本を確認しましょう。

感染性廃棄物であることを識別し周囲へ警告する

バイオハザードマークは、その容器の中に「人が感染し、または感染するおそれのある病原体が含まれている」ことを周囲に知らせるための目印です。医師や看護師だけでなく、清掃スタッフや廃棄物回収業者、あるいは一般の患者様が見ても「危険なものが入っている」と直感的に認識できるようにデザインされています。このマークがある容器は、一般的な事業系廃棄物とは完全に区別し、焼却施設に運ばれるまで決して開封せずに処理する必要があります。

環境省が推奨する国際的な共通シンボルである

このマークは日本独自のものではなく、1966年にアメリカで開発され、1983年にWHOが実験室バイオセーフティ指針を策定した際に国際的なものとなったマークです。日本国内においては、環境省が発行している「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」の中で推奨されている識別表示です。法的に義務付けられたものではありませんが、処理の安全性を確保するための標準的なルールとして、ほぼ全ての医療機関と処理業者で採用されています。マークを表示することで、排出から処分までの全工程に関わる人が中身の性状(液体か、固形か、鋭利か)を一目で判断できるようになります。

 

赤・橙・黄の3色は具体的にどう使い分ける?

バイオハザードマークには「赤」「橙(オレンジ)」「黄」の3色が設定されています。これらは単なるデザインの違いではなく、廃棄物の「性状(状態)」によって厳格に使い分ける必要があります。

液状または泥状の廃棄物は「赤色」を使用する

赤色のバイオハザードマークは、中身が漏れ出すリスクが高い「液状」または「泥状」のものを廃棄する際に使用します。具体的には、手術や検査で発生した廃血液、廃血清、体液、あるいはこれらが大量に入った容器などが該当します。液状のものは万が一容器が破損すると広範囲に汚染が広がる危険性があるため、もっとも警戒度が高い「赤」が割り当てられていると理解すると覚えやすいです。

血液付着などの固形物は「橙色」を使用する

橙色(オレンジ色)のマークは、水分を含まない、あるいは流動性のない「固形物」に対して使用します。医療現場で最も排出頻度が高いカテゴリーであり、血液や体液が付着したガーゼ、脱脂綿、チューブ類、ドレーン、ディスポーザブルの手袋などがこれに含まれます。固形であるため液漏れのリスクは赤色より低いですが、感染源となる病原体が付着している可能性があるため、適切な管理が求められます。

注射針などの鋭利なものは「黄色」を使用する

黄色のマークは、取扱者に物理的な怪我をさせる恐れがある「鋭利なもの」専用です。使用済みの注射針、メス、翼状針、アンプル、バイアル、破損したガラス製品などが該当します。これらは感染リスクに加えて、回収する人の手に刺さる「針刺し事故」を引き起こす危険性が極めて高いため、注意喚起の意味を持つ黄色が採用されています。鋭利な廃棄物は、中身が外に飛び出さないよう特別な容器に入れることが大前提となります。

 

マークごとの正しい容器の種類と梱包方法は?

色分けを理解したら、次はそれぞれのマークに対応した「容器」の選び方が重要になります。中身の性状に合わない容器を使用することは、運搬中の事故に直結します。

液漏れを防ぐため密閉可能なプラスチック容器を選ぶ

赤色マーク(液状・泥状)の廃棄物を入れる容器は、液体が外に漏れ出さない「密閉性」が最優先されます。一般的には、蓋にパッキンが付いているプラスチック製の堅牢な容器を使用します。段ボール箱やビニール袋では液漏れを防げないため、赤色マークの対象物には使用しません。蓋を完全に閉めれば転倒しても中身が出ない構造のものを選び、容器の側面に目立つように赤色のマークを貼付します。

固形物は丈夫な二重袋と段ボール箱を組み合わせる

橙色マーク(固形物)の場合は、丈夫なプラスチック袋(バイオハザードバッグ)と段ボール箱を組み合わせて使用するのが一般的です。まず段ボール箱の中に専用の袋をセットし、その中にガーゼなどの固形物を投入します。袋は運搬中に破れないよう二重にするか、厚手の強化ポリエチレン製を使用します。段ボール箱は外部からの衝撃を守り、保管時の積み重ねを容易にします。最終的には箱の外面に橙色のマークを表示し、中身が見えない状態で搬出します。

貫通事故を防ぐ耐貫通性のある堅牢な容器を使う

黄色マーク(鋭利なもの)の容器選びは、安全管理上もっとも重要です。注射針やメスが容器を突き破って外に出ると、収集運搬作業員に深刻な危害を加える可能性があります。そのため、プラスチック製などの「耐貫通性」がある硬い容器を使用することが必須です。段ボールやビニール袋の使用は厳禁です。投入口が設計されており、一度入れたら取り出せない構造になっている専用の針捨てボックスなどが推奨されます。

 

医療廃棄物の運用で注意すべきポイントは?

適切な容器とマークを使用しても、日々の運用ルールが守られていなければ事故は防げません。現場スタッフ全員が意識すべき具体的なアクションを紹介します。

廃棄物が容器の8割程度になったら封印する

容器に廃棄物を詰め込みすぎることは非常に危険です。特に鋭利なものが入った黄色容器の場合、満杯まで入れると蓋を閉める際に針が飛び出したり、押し込む際に指を刺したりする事故が発生します。環境省のマニュアルや多くの院内規定では、容量の「8割程度」を目安に容器を交換することが推奨されています。もったいないからといってギリギリまで詰め込まず、余裕を持って密閉作業を行うことが安全への第一歩です。

関係者以外が触れない保管場所を確保する

感染性廃棄物は、排出から回収業者が引き取るまでの間、院内の保管場所(ごみ捨て場)に置かれます。この保管場所は、関係者以外が立ち入れないように区画し、鍵をかけるなどの対策が必要です。また、保管場所には「関係者以外立入禁止」や「感染性廃棄物保管場所」といった掲示を行い、周囲に注意を促します。保管期間は極力短くし、腐敗や悪臭が発生しないよう配慮することも重要です。

排出事業者が最終処分まで責任を持って管理する

法律上、廃棄物の処理責任は「出した人(排出事業者)」にあります。業者に引き渡したら終わりではありません。回収業者が発行する管理票(マニフェスト)を用いて、廃棄物が適切に運搬され、中間処理を経て最終処分されたかを確認する義務があります。これを怠り不法投棄などの問題が発生した場合、排出元の医療機関も責任を問われる可能性があります。バイオハザードマークは、この一連の適正処理をスムーズにするための「バトン」のような役割を果たしています。

 

分別を間違えやすいケースの判断基準は?

現場でよく質問にあがるのが、判断に迷う「グレーゾーン」の廃棄物です。ここでは代表的な迷いやすいケースと、その判断基準を整理します。

血液が付着していない紙おむつは非感染性とする

紙おむつは判断が分かれやすい代表例ですが、原則として「血液が付着していない」場合は、感染性廃棄物ではなく一般廃棄物(事業系一般廃棄物)として処理できます。ただし、特定の感染症(コレラ、赤痢など感染症法で指定された特定の疾患)の患者様が使用したおむつに関しては、血液の付着がなくても感染性廃棄物として扱う必要があります。現場の混乱を防ぐため、特定の病棟ではすべて感染性として扱うなど、院内で統一したルールを設ける場合もあります。

感染症患者の使用物は性状に関わらず感染性とする

結核、SARS、鳥インフルエンザなどの感染力が強い疾患を持つ患者様が使用したものは、たとえ包帯やシーツであっても、また血液が付着していなくても、すべて「感染性廃棄物」として扱います。この場合、廃棄物の性状(液状・固形・鋭利)に合わせて適切な色のバイオハザードマークを選びます。つまり、「何がついているか(血液か否か)」だけでなく「誰が使ったか(感染症の有無)」という観点も加えて総合的に判断することが求められます。

 

まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • バイオハザードマークは廃棄物の性状により、液状は「赤」、固形は「橙」、鋭利な物は「黄」に分類する。
  • 容器は色ごとのリスクに応じ、赤は密閉容器、橙は二重袋と箱、黄は耐貫通性容器を必ず使用する。
  • 容器の容量8割での交換やマニフェスト管理を徹底し、感染リスクと法的責任の両面で安全を確保する。

医療廃棄物の適切な分別は、医療従事者だけでなく、患者様や廃棄物処理に関わるすべての人々の安全を守るための必須マナーです。ぜひ今日から院内のゴミ箱を確認し、正しい運用ができているかチェックしてみてください。

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